【コラム】スウェーデンのドキュメンタリー番組「イースターについて」

4/27/2014

イースター(復活祭)とは、キリストの復活を祝うお祭り。キリスト教では最も大切なお祝いのひとつです。復活祭は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」に祝われるため、3月22日から4月25日で毎年日にちが変わる移動祝日なのだそうです。2014年のイースターは4月20日(日)。それに合わせてスウェーデンではイースターの歴史や、スウェーデンでのイースターの習慣をまとめたドキュメンタリー「Om Påsken(イースターについて)」が放映されました。




イースターといえば卵。動かない状態から新しく生命が誕生するため、死と復活の象徴とされているそう。スウェーデンでもカラフルな色を使って卵に絵を描いて飾ったり、ゆで卵にして食べたりします。イースター前には断食する習慣があったため、その間にたまった卵をたくさん消費する目的もあったといいます。


復活祭の46日前は灰の水曜日と呼ばれ、スウェーデンでは昔、その日から断食に入りました。断食前の3日間は人々は集まって盛大に飲んだり食べたり賑やかにすごしたといいます。スウェーデンでは16世紀にカトリックからプロテスタントになったことから断食の習慣はなくなりましたが、今でも灰の水曜日の前日にセムラというお菓子を食べる習慣が残っています。甘いパンをくりぬいて、アーモンドペーストと生クリームを入れたシュークリームのようなお菓子。昔はこの日にしかセムラを食べられなかったようで、それ以外の日にセムラを作って販売すると警察が取り締まったこともあったようです。


イースターの前の一週間は受難週、スウェーデン語でstilla veckan(静かな週)と呼ばれます。その昔は農家の女性たちは静かに手仕事をして過ごしました。また教会では鐘の音を小さくするために鐘の部品を取り換えたりしたそうです。



金曜日は、キリストの受難日とされ、昔のスウェーデンでは人々は喪服を身に付け、静かに一日を過ごしたといいます。映画やダンスなどの娯楽は法律で禁じられており、1969年までその法律は続いたそうです。


静寂の1週間が過ぎ、イースター当日はおいしい食事を用意して家族で賑やかにお祝いをします。子供たちにとっても楽しい一日。家や庭に卵を隠された卵を探して遊んだり、魔女の変装をして近所の家にお菓子をもらいにいったりします。魔女の扮装をしたかわいらしい子供たちの様子こちら⇒【コラム】イースターと魔女の扮装

国や地域によって様々な行事が行われるイースター。日本でも少しずつ知られるようになってきた気がします。スウェーデンのイースターの歴史、習慣を紹介したドキュメンタリーはこちらからご覧いただけます。スウェーデン語ですが古いイースターの映像が見られて面白いです。

SVT play       http://www.svtplay.se/video/1123470/om-pasken

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