スウェーデン・ウプサラのリンネ博物館と展示「リンネの採集旅行」

2/25/2016



明日からLAVVOさんの展示「リンネの採集旅行」が始まります。

今回はLAVVOさん作品の定番であるウニの殻を使った王冠の針山やドングリの編み針など他に、北欧の北方民族サーミの民族衣装にみられるようなピューター刺繍入りトナカイの革のアクセサリーなどが新しく並びます。

タイトルにもなっているリンネとは、18世紀に活躍したスウェーデンの博物学者、植物学者。動植物を属名と種名で表す二名法を確立し、植物分類学の父とも呼ばれています。

スウェーデンのウプサラにはリンネの博物館があり、以前そちらを訪れました。



大きな庭があるリンネ博物館。一角にある建物は、18世紀リンネが医学、博物学の研究のために使用していた場所であり、リンネ一家が35年間にわたり住んだ場所でもあります。

2階の中央には、大きなテーブルが設置された部屋が。リンネが弟子に講義をしていた場所だそうです。壁面には、サーミの民族衣装を着た大きなリンネの肖像画が飾られています。



リンネが使用していたというベッド。細くて小さなベッドでした。



マッティン・ホフマンによって描かれたリンネの肖像画。サーミの衣装を身にまとったリンネ。腰にはサーミのドラムや採集袋、右手には、リンネが愛したリンネ草(リネア)を手にしています。

リンネが研究のためにラップランドを訪れたのは1732年。そこでリンネはトナカイを放牧して暮らす北方民族サーミの人たちと出会いました。自然と共に生き、必要な物は身の回りの材料で手作りをし、慎ましく強く生きるサーミの人たち。

サーミと共に過ごした時間と経験はリンネに大きな影響を与え、その旅でリンネは都市の便利さよりも簡素な生活の方が優れていると確信したといいます。その後、リンネはその経験を忘れず、都会に戻っても謙虚につつましく生活していくことを好んだそうです。



左下は、1732年、ラップランドを旅した時のメモが残る札入れ。右はサーミ民族のシャーマンが使うドラム(太鼓)。表面には象形文字が描かれています。



数多くの瓶、後ろには押し葉標本が見えます。



左下は1735年にリンネが出版した Systema Naturae(自然の体系)。


リンネはラップランドだけでなく、スウェーデン各地を旅して植物の採集、研究を行ったといいます。馬から降りて道路脇に咲く花を調べ、メモを取ったり、標本を採集したり。そこには大きな好奇心と自然に対する愛情が強くありました。

今回のLAVVOさんによる展示。LAVVO結城さんの視点でとらえた「リンネの採集旅行」はどんな形になるでしょう。ぜひ多くの皆様に展示を見て感じていただければと思います。

2/26(金)~3/8(火)までの開催です。皆様のお越しをお待ちしています。

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